■ 円キャリートレードに“逆流”の兆し
ここ数日の日本国債の急落(=金利急騰)を受け、海外の有識者の X では
「円キャリーが爆発的に逆回転する」 という投稿が一気に増えてきました。
今回はそのシナリオを整理してみます。彼らの投稿では主に以下のようなことを指摘しています。これは、十分起こり得る可能性のある流れです。
■ 円キャリー1.7兆ドルの正体
現在、日本の政策金利は 0.5%。
世界の投資家は、手元のドル建て資産を担保にして、日本の金融機関などから低金利で円を調達してきました。
その累計規模は 約 1.7 兆ドル とも推計されています。
仕組みとしては非常にシンプルです。
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ドルを担保にして、円を借りる(=円ショートを作る)
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借りた円をドルに替え、米国株・債券などに投資する(NVIDIAなど)
担保のドルはそのまま。
円を借りて外貨に替えるため、円安が進むほど返済が有利になり、キャリー取引は拡大してきました。
■ しかし今、“円調達コスト”が急上昇している
問題はここからです。
最近、日本の 長期金利が急騰 しています。正確には、
クロスカレンシーベーシス(円調達コスト) が急激に悪化しています。
悪化の背景は以下の3つ。
実際の数字を見ると、
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ほんの少し前: −20bp
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現在: −60bp 前後
と、円を借りるコストが一気に高くなっているのです。
■ 起こり得るシナリオ
もしこのまま長期金利が上がり続けると、一般に言われる「トリプル安」ではなく、
という、“日本特有の相場崩壊パターン”が起こる可能性があります。
■ 円キャリー1.7兆ドルが逆回転したら
想定される動きは次の通りです。
これは、昨年の日銀利上げの際に見られた現象の“拡大版”です。
■ 片山さつきの狙いは「円キャリー逆回転」なのか?
もちろん、彼女が“そこまで精密な戦略”を描いているかどうかは不明です。
しかし、結果として、
円安を止める“最後の通貨カード”を引きにいく動き
に彼女の政策姿勢が重なって見える
という見方は成立します。
円安の責任を政権が直接負わず、
「外部環境の急変(=円キャリー逆流)のせい」にできるという政治的メリットもあるからです。
この読みが当たっている可能性はゼロではありません。
■ 第2波は「再び円安」
ここまでが“第1波(円高ショック)”。
しかし、その後は
により、再び円安方向へ戻される可能性が高いと考えています。
つまり、
1波:円キャリー逆回転 → 円高
2波:日本の財政不安 → 再び円安
という二段階構造になるイメージです。
■ チャンスは第1波の“混乱期”に訪れる
もしこの1波が本当に発生するなら、
外貨や株式を買い増す絶好のタイミング が訪れる可能性があります。
短期的な円高ショックはチャンスでもあり、
日本にとっては最大のリスクでもある——。
今の相場は、そんな岐路に立っているように見えます。