投資家KAJI の トレード戦略ブログ

投資家カジ:元教育職20年・投資・民泊・賃貸業・太陽光事業等を実施中。常に悪戦苦闘!このブログはトライ&エラーで、精進していくための記録用です。

ローマ帝国衰亡から学ぶ・・国債についてさらに深堀り・・(円安の真実の理由)

 2泊3日の岩手の旅から帰ってきました。岩手の三陸沖ってなかなか関西から遠く行く機会が少ない。中学の時の地理で習ったリアス式海岸をずっとみてみたいと思っていました。

 

ローマ帝国衰亡と日本

BNPパリバのチーフエコノミスト・河野龍太郎氏が
「今の日本は衰亡期の古代ローマと構造がよく似ている」と指摘していて、
興味が湧いたのでローマ帝国関連の本をいくつか読んでいます。

ローマ衰亡の理由はたくさんありますが、大局的には次のような流れです。

① 戦争で得た奴隷労働が経済を支えた

ローマは長い間、征服戦争で大量の奴隷を連れてきて農業労働を担わせる構図で繁栄しました。

② 平和になると奴隷確保ができず人口が減少

帝国が巨大化し、長い平和が訪れると戦争自体が減り、
労働力(奴隷)が確保できず人口は徐々に減少。
一方で軍事費だけは膨張し続けます。

③ 財政悪化 → 重税・悪貨幣 → インフレ

財政が苦しくなると、重税・銀貨の含有量を減らした悪貨の流通などを行い、
インフレが加速して生活はさらに苦しくなります。

多神教で寛容だったローマが「排他的」に

ローマは本来は多神教で、移民(ゲルマン人)にも寛容でした。
しかしキリスト教が広まり、フン族に追われたゲルマン人が大量に流入すると、
ローマ社会は一転して排他的な方向へと傾きます。

キリスト教と財政負担

キリスト教は「弱者救済」を重視するため、
教会は社会福祉的役割を果たす一方で、大きな支出源にもなりました。
こうした構造変化が、帝国の負担として積み重なっていきます。


日本の現状とよく似ている点

河野氏が指摘するように、日本の状況がローマ後期と驚くほど重なる部分があります。

  • 人口減少 → 社会保障費の膨張(ローマの軍事費)
    削るどころか、むしろ増え続けている。

  • 移民の特定の地方への大量の受け入れ(ゲルマン人大移動)
    かつては日本人は寛容だったが、急増すると排他的になる流れも似ている。

  • インフレ下で弱者救済の名のもとに減税・バラマキが加速
    通貨を刷りまくり(銀貨の悪貨幣)、結果として財政はさらに悪化。

まさに「構造が似ている」という河野さんの指摘に、読んでいて何度も頷かされました。


参考文献
・『教養としてのローマ史の読み方』
・『新ローマ帝国衰亡史』

 

国債のもう少し深い話

国債についての本丸の爆弾については以前のブログにまとめてあります。
今回はそこから一歩踏み込んで、「なぜ金融機関が国債を買い続け、売れなくなっていくのか」という部分を解説したいと思います。


財務省の「直接の圧力」はない。でも“構造的圧力”はある

財務省が銀行に「国債を買え」と命令することはありません。
しかし制度そのものが、金融機関を国債に向かわせるよう設計されています。

● ① 国債は“リスクゼロ”という規制がある。だから大量に積める

国債はリスクウェイト0%扱い。
つまり、自己資本比率を悪化させずにいくらでも保有できる
→ 結果として、銀行は最も大量に積める運用先が国債になる。

(実際は価格が下落すると、莫大な損失が生じる爆弾)

● ② 日本は預金が余りまくる → 国債は「預金の置き場」

地銀・メガバンクともに運用先が乏しい。
国内の設備投資需要も少ない。
融資の伸びも弱い。
→ 必然的に「余った預金=国債に流れる」。

● ③ 大量に売ると“日本全体の首を絞める”構造

銀行が国債を大量に売れば、
金利急騰 → 国債価格暴落 → 評価損拡大 → 金融不安
となるため、
価格が下落して損失が膨らんできても売りたくても売れない。

メガバンクも生保も地銀も、みな同じ船に乗っている。

● ④ 金融庁の検査という“最後の圧力”

国債を大きく売却して市場を乱せば、
リスク管理が甘い」と判断されて指導が入る可能性がある。

→ 直接は言われなくても、制度上、売りにくい。


■ この構図が生むもの:金融機関は「売れず」「抱え続ける」

こうして国債価格が下落していくと、金融機関は含み損を抱える。
しかし、売ればさらに市場が悪化し、損失も顕著になる。
だから 売るに売れない。

この“身動き不能”の状態が、日本の最大のリスクの一つ。


■ 「売り手がいないなら、国債価格は安定するのでは?」

ここが多くの人の誤解ポイント。

確かに売却圧力は弱い。
しかし、国債市場が崩れるのは 売られる時ではなく、“新規の買い手”が消える時

この点が非常に重要。


国債ショックは「売り」ではなく、“買い手消失”で起こる

歴史的な国債危機(ギリシャ、トルコ、アルゼンチン、英国トラスショックなど)は
すべて 「新発国債の買い手が消える」 ことで起きている。

日本も例外ではない。

● 新規の借金

● 満期を迎えた償還分の借り換え

これらは毎年巨額。

しかし金融機関はすでに足元の国債下落で、含み損が急激に膨らんでいる。
これ以上“買い足す”ことが事実上できなくなりつつある

さらに、
利払い費が急増 → 財政の持続性懸念 → 信認低下
となれば、買い手消失はもっと早く進む。

 


■ 「満期をぐるぐる回してるから問題ない」は的外れ

よくある誤解がここ。

日本は確かに償還費(元本返済)は歳出に載っているものの、
実際には借り換えで回してるだけで、財政の本丸ではない。

ここを経済の専門家でも平気で信じている人がおり、驚きます、

本丸は「償還」ではなく、
・利払いの急増
・買い手の消失
この2つ。


■円安の真の背景はここ

上記の理由が真の円安の背景です。なぜ高市さんが政権をとって積極財政で赤字を拡大させて実施するといった瞬間から、円安が再加速して債券価格が急落してきているのか

 その根本的な理由は上述した政府の財政の持続可能性に疑問符がついて円の信認が落ちてきているからです。円は世界の基軸通貨ではないので、ドルは財政が悪くても需要がある。一方それ以外の通貨は、信認がなくなれば一方的に売られていく現象が発生してしまいます。