たっくん(政府)とさっちゃん(財務省)と、たっくん銀行(日銀)の物語
金融や財政の話って、専門用語が多くてとっつきにくいですよね。
そこで今回は、 たっくん(日本政府)
たっくん銀行(日本銀行)
さっちゃん(財務省)
という三人を登場人物にした“お金の物語”で、日本の財政の実態をやさしく説明してみます。
■ たっくんの国の現状
たっくんの国では多くの人が働いており、毎年たっくんに 100万円の収入(税収) が入ります。
本来は、“100万円以上使うときは災害などの臨時の時だけ借金する”と決めていました。
しかし、たっくんは次第に人気が落ちてきました。
「みんなにたくさんお金を配れば人気が出るはずだ」と考え、
臨時でもないのに毎年のように借金に頼るようになります。
収入100万円なのに、使うお金は120万円。
足りない20万円を、たっくん銀行から借金します。
■ 「たっくん銀行はいくらでもお金を作れる」という誤解
たっくんは言います。
「たっくん銀行(日銀)は無限にたっくんマネー(円)を作れるんだ。
だからいくら使っても大丈夫だよ!」
たっくんマネーを発行するために、さっちゃん(財務省)は
借金の証書=国債 をみんなに売りに行きます。
しかし国債の量はどんどん膨れ上がり、
一般の人や企業は買い切れなくなりました。
すると仕方なく、たっくん銀行自身が大量に国債を買うようになります。
そしてたっくんはますます思い込むのです。
「ほらね!
たっくん銀行が買ってくれるし、無限に大丈夫じゃないか!」
■ 気づけばとんでもない状況に
年月が流れ、たっくん銀行はついに
国債の半分近く を抱えるまでになりました。
そして利息の支払いだけで 年間20万円 に到達。
収入100万円のうち、2割が利息だけに消えていく体質になってしまいます。
■ さっちゃんの忠告
さっちゃん(財務省)は、たっくんに言います。
さっちゃん
「人気取りのために借金を続けると、利息すら払えなくなるよ!」
たっくん
「大丈夫!
うちの企業は海外にいっぱい資産を持ってるんだよ!」
さっちゃん
「それは企業のお金でしょ!?
たっくんのお金じゃないよ!」
たっくん
「でも、たっくんの国にも資産はあるから大丈夫だよ!」
さっちゃん
「その資産って、国民の年金のお金や、公務員のお給料の準備金よ。
借金返済には使えないの!」
たっくんは聞く耳を持ちません。
こうして「純債務が小さいから大丈夫」という理屈がつくられていきます。
■ そしてついに影響が出始める
ある日、たっくんは気づきます。
「あれ?たっくんマネーの価値が落ちてる?」
「海外旅行も高すぎて行けないぞ…?」「マンションの価格もどんどん上がっていく?」
さっちゃんが静かに言います。
さっちゃん
「お金をばら撒きすぎると、通貨の価値は下がるのよ。
うちの国は食料もエネルギーも輸入に頼っているから、
たっくんマネーが弱くなると全部高くなるの。」
しかしたっくんは相変わらず楽観的です。
たっくん
「景気が良くなれば大丈夫!
もっと配ろう!!」
さっちゃんは黙って空を見上げます。
■ 国民の誤解と、静かにはじまる危機
たっくん国の市民から見れば、
「お金を配るたっくん=良い人」
「借金に慎重なさっちゃん=悪い人」
というイメージが広がっていました。
しかし現実には、国債を買いたい人は減り、
金利はじわじわ上がり始めます。
莫大な借金の利息は雪だるま式に増えていきました。
たっくん銀行は物価が上がったのを抑制するために金利を上げて火消しする必要がありますが、たっくんの莫大な借金を抱えているために金利を引き上げることができない状態に陥ってしまいました。
たっくん銀行がさらに国債を買えば買うほど、
たっくんマネーの価値は落ちていき、
形式的に破綻しなくても、実質的には破綻状態 に近づいてゆきます。
■ まとめ
たっくん、さっちゃん、たっくん銀行の物語は、
日本の財政、国債、金融緩和の構造をやさしく描いたものです。
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借金が膨らむ
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たっくん銀行が買って支える
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通貨価値が落ちる
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利息負担が増える
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また借金する
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またお金を刷る
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また通貨価値が落ちる
というすでに“負のループ”に入り込んでいます。
どこかで痛みによる政策を受け入れて立て直す必要があります。